本をヒントに「無謀なこと」を実現する方法
~6年生春偏差値20マイナスからでも目標達成を~


「受験」とひとくちにいっても、学校を選ぶためのもの、あるいはスキルアップややりたいことをするために必要な資格をとるための「受験」というものがあります。

そのなかでもこれは、「中学校を選ぶための受験」のお話です。
本ってこんなことにも役立つんだよ!というお話でもあります。

受験をする以上、その先に何らかの結果を得ることを知っています。
ですが、望む結果が得られるかどうかは分からないものです。

それが中学校を選ぶための受験ともなれば、、、自分のことにはどれほど気丈なママでも、子どもの「いざ!」というときになると、案外弱いものかもしれません。

もちろん受験に限らず、なんらかの判断がくだされるとき、「受け入れられた」あるいは「拒否された」といって、一喜一憂してしまうことは誰にでも起こりうることでしょうか。
恋愛においても、就職においても、あるいはビジネスにおいても、常に自分の当初描いた理想どおりになにもかもが「受け入れられる」とは限らないわけです。

ところが、ママとは不思議なもので、自分に下される判断よりも、子どもに下される判断のほうが、いっそう思い入れが強くなってしまうことがあるのです。
そういう意味で、ママとは、子どものことになると自分のことよりも弱いと思うわけです。

これはつまり、自分自身を省みての実感でもあります。

 

この冬、来年の春に向けて自分の子どもが受験を経験しました。
中学受験です。

6年生の初めのころ、どこから聞きつけてきたのか、娘が行きたい、といった学校と娘の学力の差は、偏差値でいうと20ほどの差がありました。
私も受験生だった頃がありますから、それがとういうことなのか、という「一般的」な認識は承知しておりました。

受験まで1年を切った時点で、埋めるべき偏差値が20もあるということに対しては、いくら偏差値心棒主義者ではないとはいえ、そこそこ気になったものです。

 

さて、ここで私たちがやったことを記していこうと思います。
受験の合格を目指す方にも、あるいは、なんらかの目標達成を試みる方のヒントになれば、と思います。

ちなみに、このお話は「本」に書かれたことを実践した記録です。
そして、それはいわゆる「子育て本」や「受験本」からの実践ではありません。
多くはビジネス書といわれるジャンルの本からの実践です。

もちろん、そこに書かれている成功哲学が必ずしもすべて自分に置き換えら得れるとは思っていません。状況も環境も違えば、まず目を向けるべき視点も違うとおもうからです。

その意味においては、このお話は、本に書かれている成功哲学を、どうやって自分たち仕様に変えたのか?というお話になります。

「どうやって自分仕様に変えるのか?」
みなさまのヒントになれば、幸いです。

 

本から学んで実際にやったことは、4つあります。

1.客観的データーから自らの立ち位置を思い知る
2.なんのために? の問いに向き合う
3.脳を騙す
4.戦略を実行する

ひとつずつ進めたいと思います。

 

1.客観的データーから立ち位置を思い知る

使った客観的データーはいくつかあります。
・家計簿
・過去の入試問題を含む学校資料
・偏差値

まずは家計簿。

これは、、、つまり、、、懐事情です(笑)
子どもが受験をしたい、といったとき、学業を全うできる資金があるかどうか? というお話です。

私立といえでも、そこに費やすべき資金はピンからキリです。
たとえば、いわゆる難関私立中学校だからといって、そこに係る費用が他の学校とくらべて高額とも限りません。

そこそこに人気の私立大学の附属小学校で新設の学校だったりすれば、それはもう、、、私はびっくりする(笑)

もちろん、受験が必要な学校は私立ばかりとも限りません。
中高一貫の公立学校もあれば、国公立大学附属の学校もあるわけです。

まずは親側が、その学校にいけばどれぐらいの投資が必要なのか?ということを知っておく、という意味で、「家計簿」とにらめっこするわけです。

つぎに、過去の入試問題を含む学校資料。

家計簿とにらめっこするときにも参考にしましたし、過去の入試問題を客観することで、その学校の出題傾向と配点を探るためにも使いました。
けれどもこれは、「2なんのために? の問いに向き合う」「3.脳を騙す」で主に使うデーターです。

最後に偏差値。

私は、偏差値という指標は、子どもの立ち位置を客観するための手段として上手く使えばいいと思っています。

学校の参考偏差値と子どもの偏差値との差はどの程度あるのか?
苦手な科目、得意な科目は?

 

この「1.客観的データーから自分の立ち位置を思い知る」で大切なことは、感情や感覚で物事を見るのではなく<現状をできる限り客観して知る>ことにあります。

ところで冒頭に、小学校6年生の春に学校と子どもの偏差値の差が20ほどあったというお話をしました。

普通に考えれば、、、え?!というお話かもしれませんが、今あげた3つのデーターを参考にすると、「これならまぁ、20の差は気にしなくてもどうにかなるなぁ」という目論みになりました。

一般的にいわれることや、思い込みをできるだけ排除すれば、広がる道がひとつではないことが分かります。データーは、別の道を探るために役立ってくれるのです。

ただし、私の目論み通りになるには、これにかかっていました。
「2.なんのために? の問いに向き合う」

なんのために? を子ども自身が見いだせないようであれば、まずもってこの受験は失敗すると考えていました。

 

2.なんのために? の問いに向き合う

受験は目的にはなりえません。
受験とは通過点であり、目的地にあるものを手に入れるために無数ある戸口のたったひとつにすぎません。

けれども、ここを忘れてしまう人が多いように思います。特にママ。
自戒も込めて、また、たくさんのママと出会っての実感です。

この学校に入れば高校もいけるし、とりあえず大学まで安泰だから。
将来のことは、もっと先でもいいじゃない。「いい学校」に行けるんなら。
小学生の夢なんてすぐに変わるんだから、あってないようなものでしょ。
将来のことを思うなら、とにかくこの学校に入ることよ!!

特に、受験した学校で学んだ先に得られることを<考える余裕>を、子どもにあげないことが多いように思います。
進学率、友達になるであろう家庭の環境、あるいは、名前、、、外側の評価に目を向けても、子ども自身の言葉に冷静にゆっくりと耳を傾ける時間が、親子ともども忙殺されているように思うからです。
ですから、選択肢の広さに目を向けず、思い込んだ一本の道にすがりがちになります。

けれども、子どもにだって、子どもの将来を考える権利があります。
だからこそ、親側の理屈ではなく、子どもに将来のことを描かせてあげる「べき」だと思うのです。

子どもだからまだできない?

それは、10年そこそこも生きた人のことを、見くびりすぎだと思うのです。
子どもたちは自分で自分のことを考えることぐらい、できるのです。
その雰囲気と環境だけ、整えてあげさえすれば。

雰囲気と環境の作り方などはとても簡単です。

大人が自分の夢を素直に真面目に子どもに語り、笑顔で「あなたはどう?」と聞いてあげるだけでいいのですから。

 

さて、私は実際、子どもにこんなことを聞いてみました。

何のためにその学校へ行きたいの?
その学校では何ができるの?
その学校でなければならない理由は?
その学校以外でやりたいことができる学校はないの?
他の学校とどこが違うの?

かなり細かく、、、根掘り葉掘り聞きました。
そのときは「すごいなぁ」「そんなこと考えてたんや」と言葉をはさみながら、「もっと聞かせて!」という心の余裕と笑顔は欠かせません。

そうですね、、、就活生が採用面接のために、内観の本を手元に自分と向き合うような、あのイメージです。時間があるときに、私が本の代わりを務めました。

 

希望する学校と子どもの偏差値が20もの差がある時点で、そもそも外側の評判に踊らされているだけならば、、、1年以内で20の差を埋めるための心が、子どものだけではなく、親の方が特にもちません。

なんで勉強しないの!
毎日夜のお弁当作りに塾への送り迎えまでしているのよ!
うちにはそんな余裕があるわけじゃないのよ!!
あなたに費やしている塾代、どれだけかかっていると思ってるの!!

こんなバトルで疲れるだけです。
子どもにとっても、ママにとっても、家族にとっても、、、このようなバトルは好ましいと思えません。

それならいっそう、やらない方がまし。
心の負担は時間を負うごとに増し、あとから倍返しになることも、あながちウソではないからです。

それに、その学校へ行く理由を自分で語ることができないならば、その学校に行っても仕方がないと思っています。

受験のための労力は子どもなりにも負担だし、用意されている学校がある以上、惰性で学びにいくならばわざわざそれ以外の学校へ行く必要もないだろうし、ましてや、親の機嫌を伺って受験をする必要もなし。

やる気あるの?
そんなんで合格すると思うの?

といいたくなる前に、ここの「なんのために?」でとことん、子どもの夢や将来と向き合ってみるのです。子どももママも。

受験を決める前
塾に行き始める前
志望校を絞る前
ママの心がちょっとしんどくなってきたら

ことあるごとに、やってみることをお勧めします。
そうやって事あるごとにこれをやっていくと、次第に子どもの表情と発言が変わってきます。

おもしろいことに、私がどんなイジワル?!をいっても、「あ、それやったら大丈夫。まかしといて」なんて、いう娘がいました。
一気に「エラそう」になりました(笑)

 

3.脳を騙す

ところで、「2.なんのために? の問いに向き合う」だけでは、少し物足りません。
一般的にいわれる「20の差」に対する不安は、ときどきカンターパンチをお見舞いしてくれます。

もしかして、、、ダメかも
もう無理なんじゃないか、、、

気持ちの浮き沈みは、人として仕方がないものですが、カウンターパンチで弱ってしまっても、それが長く続かないような工夫が必要です。

そのときに力を発揮してくれるのが、イメージの力です。

 

脳は、現実世界とイメージの世界の区別をつけられない、といわれています。
また脳の認識は、五感によってなされるといわれています。

視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚

つまり、これらの感覚がイメージの世界にもたらされたならば、それはもはや脳にとってはリアルの世界。

つまるところ、自分のイメージが生き生きすればなるほど、自分はそういう人間である、という勘違いを脳が起こしてくれるわけです!

 

さて、私たちが何をしたか、、、

オープンスクールに学校説明会、外部の人が出入りできるときは毎回、その学校に向かいました。

説明会会場はもちろんのこと、授業やクラブの体験会に参加して、教室の様子、椅子の感触、黒板横の掲示物、あるいは、廊下を歩く靴音やトイレの様子、実際に通っている学校の子どもたちの姿や先生の声、あるいは、制服に上靴、、、

見えるものだけでなく、聞こえる声や、校舎の近くで電車が走る音、あるいは、その教室の匂いに空気感、、、

そして、一緒に参加している子どもに想像してもらいました。

学校の制服を着た自分が廊下を歩いている、教室に入って先生の授業を受け、目の前で学校紹介をしている生徒が先輩となりいっしょにクラブ活動で励んでいる、

自分がこの学校に通っているとしたら、どんな様子でどんな時間を過ごしているのかを、子どもに想像してもらったのです。
もうすでに自分がその学校に通っているかのように、あたかも自分がそこの生徒であるかのように、です。

何回か現場に足を運んで、その場を体感しながらイメージをすると、より五感を刺激します。
よりリアルな想像が湧いてくるわけです。

すると脳は、、、騙される。

 

脳が騙されてしまえば、たとえ偏差値20の差があったとしても気にしません。
なぜなら、脳にとってはその学校に通っていることはリアルだから。

偏差値などどうでもよくなるのです。
脳のなかでは、その学校に通っている、のですから。

こうした脳の思い込みは、とても心強いものです。
不安ほど行動力を阻むものはありませんが、思い込みの力で不安がかき消されます。

その学校に通っている子どもが、どうしてその学校の入学試験に落ちることを想像するでしょうか?

 

ただし、注意があります。

イメージがイキイキとするからこそ、脳は騙されるのです。
新たに「楽しい、嬉しい、気持ちいい」が入ってくれば、もとの「楽しい、嬉しい、気持ちいい」は上書きされます。すると当然、学校で体感したイメージも薄まってしまいます。

そのために、いつでもリアルなイメージが掻き立てられるようにしておくことは欠かせません。

ここで学校案内が役に立ちます。

学校案内の写真で、そこに自分がいるかのようなイメージを掻き立てるのです。
学校で体感した記憶を掘り起こし、「楽しい、嬉しい、気持ちいい」を想像し、上書きを重ねていく、というわけです。

いわゆる、モチベーションをあげる方法、などともいえるのかもしれませんが、これはかなり有効です。
「そうである」ならば、「そうならない」心配は無用なのですから。

 

4.戦略を実行する

さて、ここまでの1~3は、準備体操のようなものです。
ここで動くための準備が整ったなら、、、もうあとはシンプル。

やることを、やるだけ。

 

先の未来を手に入れるために戸口を通過する必要があるならば、その戸口をくぐり抜けるためにできることをすればいい、だけです。
そして、できるだけ効率的に効果的に実行したいならば戦略を立てればいいわけです。

戦略とは、戦いを省く、という意味。

 

私たちがここで考えた戦略が、偏差値20の差を埋める戦いを省く、ということでした。

今更、みんなと同じことをするのは、無駄な努力といわざるを得ません。
偏差値20の差を埋めるために、1年も満たない期間、みんなと同じことをしても無駄だと判断しました。

ですからもう、直球勝負(笑)
つまり、とにもかくにも偏差値を無視。
戸口を通過するためのことしか、しなかったのです。

そのために役に立ったのが、志望校の過去問題と、想定問題たち。
これらを客観して、何をすればいいのか、そして肝心なのが、何をしないのか、を決めること。

ここは、私がプランを作って娘の納得をみながらやっていきました。
私がプランを作るのは、、、年の功?!というやつです(笑)

 

ところで、私たちは塾で教わることを選択しませんでした。
その代わり、ビジネス書で書かれている成功哲学や、脳科学の本から得た知識を総動員しました。

塾の送り迎えやお弁当作りに充てる時間を、データーの客観や問題をいっしょに解いて教え合いっこしたり、子どもと真剣に話をする時間に充てました。

塾を選択しなかったのは、6年春に今更だったし、みんなと同じことをしても時間のムダだと思ったし、希望する学校の試験傾向なら私でも教えられるという目論みもあったし、、、と、いろいろな要素が重なってのことです。

けれども最大の理由は、、、娘の気質と私の気質を考えて、塾を選択することで心に負担を持ちたくなかったから、です。

小学校3年生のとき、娘は進学塾に通っていました。
ですが、「彼女に塾生活は合わないわ」と悟り、1年できっぱりとその生活を辞めたのです。

身の丈に合わない受験勉強は、親子ともに心を蝕みかねませんから、これだけは避けたかった。というのが大きな理由の一つです。

もちろん、塾の気質があう方には、塾という選択肢はあって然るべきだと思います。
私などは、、、むしろ、塾気質です(笑)
けれども、娘にはその気質が合わない、、、

とてもシンプルなことです。

 

こんな「受験」体験をして、つくづく思ったことがあります。

それは、子どもをサポートする側が、ほんとうに「子どものサポーター」になっているかどかを自覚することは、なかなかむつかしい。

ママは、子どものことを心から応援しようとします。
応援の気持ちが高ぶれば高ぶるほど、そこに時間もお金も、はたまた、自分の心まで込めていきます。

けれどもそれは、果たして子どもの応援になっているのか?
ここの客観をおろそかになりがちです。

没頭すればするほど、客観することが難しくなることは仕方のないことだからです。

けれども「受験」に大切なこと(「受験」に限らず目標達成に大切なこと)は、どれだけ自分を客観できるか、だと思います。

立ち位置を知り
状況を観察する
なにとも戦わない方法を練り
その戦略を淡々と実行する

「主観」は、この一連の作業をこなすためのイメージ力として上手く活用すればいいのです。

このバランスは、常にトライ&エラーの改善です。
いつも順風満帆というわけではないことを知ったうえで、それすらも楽しめると、もっと楽に受験ができると思うのです。

さて。

これで、「無謀じゃない?を実現する方法 ~6年生春偏差値20マイナスからでも目標達成を~」はおしまいです。

受験に限らず目標達成において、この記録がなにかのお役に立ちますと嬉しい限りです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

 

ちなみに、ここに記したノウハウや智慧は、本から得たものたちがほとんどです。

ただし、用いる手段は吟味しました。
これが「いい!」と誰かが推薦するものがその時の状況に合うとも限りませんし、持っているビジネス書のすべてのノウハウを使いこなせるわけでもありませんから、子どもの受験にはこれが使えるな、と思った方法をピックアップしています。

ちなみに、今回私が参考にしたいくつかある本のうち、こういうものがあります。
「ブレインプログラミング」アラン・ピーズ、 バーバラ・ピーズ著

特に<3.脳を騙す>で参考にしました。

 

さて本篇は終わりましたが、、、ほんの数行、お付き合いくださると嬉しいです。宣伝です(笑)

もしこの本のことが、ちょっと気になるなぁ~ と思うことがあれば、ぜひ、この本を扱った読書会に遊びにきてください。本はこちらでご用意しているので、手ぶらでOKです。

本に書かれていることのなかでも、あなたに相応しい内容の部分を特に深めてもらいたい、という読書会です。

私も、NLP(脳神経言語プログラミング)という手法でカウンセリングなどを行っておりましので、読書会では、本に書かれた内容を実践的に補足することもできます。

何となく引っかかるものがあれば、いつでも遊びにきてくださいね。
「ブレインプログラミング」を使った読書会は、定期的に開催しております。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

 

読書会のご案内

 

 

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