今回は、こちらの本をご紹介したいと思います。
「サピエンス全史」ユヴァル・ノア・ハラリ著です。

この本は、まさに「『幸せ』を考えるためにある」ような本です。
上下巻と分厚いからと尻込みしそうですが、難しい概念や専門的な言葉も少なく、とても読みやすい本です。一方で、著者が研究者・教育者であるだけに、「知らなかった」に出会えることも多いのも特徴です。

本書は読み手に、答えのない問いを投げかけることで、「生き方」をみつめる絶好の題材を提示しています。「あなたにとっての幸せ」を生きるための生き方です。
知識ばかりをゴリゴリに詰めましょう、という話ではありません。むしろ、本書を読むことで物事を大局的に俯瞰できるため、あなたの頭を柔らかくし広い視点をもたらすことでしょう。

なぜなら、本書が「答え」を提示するものではなく、歴史的な人類の変化を淡々と語ることで、読み手に「良質な問い」を持つ機会を与えてくれるからです。

ノウハウ本ではなく、このような「答えのない本」を読むと、大概は「じゃあ?」「だから?」といったモヤモヤ感や憤りを感じることがあるかもしれません。
私たちは、すぐに与えられる「答え」や早急な結果を求めがちですが、必ずしも、簡単に手に入れられるものが「いい」と思っていない、という矛盾を抱えています。どこかで「本物」に近づきたいと、多くの人は感じているのです。
そんな矛盾を解決してくれるひとつの手段が、「良質な問い」です。
必ずしも「答え」がないものであっても、そこに「良質な問い」を投げかけることで、「答え」を見つけることができるからです。まるで、人とのコミュニケーションをとるように、本と対話するわけです。

そもそも本書は、著者自らがもつ「問い」を歴史的根拠に照らし合わせながら説明することで、著者なりの「解」を提示する流れを持っています。
その「問い」とは、たとえば
「人類はどうして他の動物を差し置いて繁栄ができたのか?」
「人類の『豊かさ』とは?」
「文明は人間を幸福にしたのか?」
著者自身もこのような自らの「問い」に応える形で、歴史家として史実を提示しながら著者なりの「解」を引き出しているのです。

ネット上の消費する情報に飽きてきた方にこそ、本書がおススメです。
それほど難解な概念も言葉もない本書は、とても読みやすいものです。
決して「答え」を提示してくれるものではありませんが、<自ら考える>という土壌を提供してくれます。

著者はこのように言います。
「何が良いかという定義は文化によって異なるし、良さを比べる客観的な物差しもない」
「何をもって(幸福)を計測すべきかを決める必要がある」

ぜひ本書から、「幸福」を図るあなたなりの物差しを得てみてください。
誰にも強制されるものではなく、誰にも干渉されるものでもない、あなただけの「幸福」です。

 

 

※読書後に、ぜひあなたの感想もお聞かせください。読活交換いたしましょう!!

 

 

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